鹿肉の部位|ロース・モモ・スネの特徴と使い分け

白いトレーに重ねて並べた薄切り肉
鹿肉は部位によって、やわらかさも向いている料理も変わります。ロース・ヒレ・モモ・ウデ・スネ・ネックの特徴と、ステーキや煮込み、ひき肉など部位ごとの使い分けを表にまとめました。どんな部位も活かしきれるソーセージの話も、鹿肉を扱う作り手の立場からお話しします。

鹿肉のブロックを買おうとして、「ロース」「モモ」「スネ」と並んだ名前の前で迷ったことはありませんか。牛や豚なら何となくわかる部位も、鹿肉になると、どれをどう料理すればいいのか見当がつきにくいものです。

僕たちは創業したころ、鹿を枝肉で仕入れて、自分たちで解体して精肉していました。この記事では、鹿肉の主な部位の特徴と、部位ごとに向いている料理を、鹿肉を扱ってきた作り手の立場からまとめます。

ドットコミュ鹿さん 中山浩彰

一頭の鹿から、いろんな顔の肉がとれるんですよね。部位がわかると、鹿肉を選ぶのがぐっと楽しくなります。

鹿肉の部位は、大きく6つに分けられる

作業台で赤身肉を包丁でカットしているところ

鹿肉は、牛や豚と同じように、体の場所ごとに部位が分かれています。よく使われる名前で分けると、背中のロース、その内側のヒレ、後ろ脚のモモ、前脚のウデ、脚の下のほうのスネ、首のネックの6つです。部位の呼び方や切り分け方は、処理施設や地域によって少しずつ違います。

鹿は脂肪が少ない動物なので、どの部位も赤身が中心です。そのぶん、よく動かす部位ほど筋や繊維がしっかりしていて、あまり動かさない部位ほどやわらかい、という違いがはっきり出ます。

部位ごとの特徴

白いトレーに並べた脂身付きの赤身肉

ロース・ヒレ:やわらかく、焼いておいしい

背中に沿ったロースと、その内側にあるヒレは、鹿肉の中でもっともやわらかい部位です。きめが細かく、焼いたときに鹿肉らしい赤身の味がまっすぐ伝わります。量が少なく、値段も高めの部位です。

モモ:量が多く、使いやすい赤身

後ろ脚のモモは、一頭からとれる量が多い部位です。内ももはやわらかく、外ももはやや歯ごたえがあります。ローストや焼き肉、薄切りにして炒め物にと、使い道の広い部位です。

ウデ・スネ・ネック:煮込みとひき肉に

前脚のウデ、脚の下のスネ、首のネックは、よく動かす部位なので筋が多く、歯ごたえがあります。焼くと硬くなりやすい一方で、時間をかけて煮込むとほろっとやわらかくなり、筋から出るうま味も楽しめます。ひき肉にして使うのにも向いています。

ドットコミュ鹿さん 中山浩彰

スネやネックって、実はうま味がすごく濃いんです。手間はかかりますけど、煮込んだときのおいしさは格別ですよ。

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部位と料理の対応を表で見る

金属台に置かれた大きな赤身肉と包丁

部位ごとの特徴と、向いている料理を表にまとめました。

部位 場所 特徴 向いている料理
ロース 背中 やわらかく、きめが細かい ステーキ、ロースト
ヒレ ロースの内側 もっともやわらかい ステーキ、カツ
モモ 後ろ脚 量が多く、使いやすい赤身 ロースト、焼き肉、炒め物
ウデ・スネ・ネック 前脚・脚の下・首 筋が多く、うま味が濃い 煮込み、カレー、ひき肉

どの部位も、ジビエは中心部まで十分に火を通すのが基本です。目安は中心の温度が75℃で1分以上、またはこれと同じくらいの加熱です。ロースやヒレのようにやわらかい部位は、低い温度で時間をかけて加熱すると、しっとりと仕上がります。僕たちの店でも、低温調理で仕上げた鹿肉のタルタルを出してきました。

目玉焼きと葉物を添えた焼きソーセージ2本

部位を選ばず、鹿肉を手軽に

広島の鹿肉に、挽きたての黒胡椒を合わせた鹿ブラックペッパーなど、鹿肉のソーセージをそろえています。冷凍パックのまま湯煎して、焼くだけです。

ソーセージを見る

どんな部位も活かせるのが、ソーセージ

作業台で大量の生ソーセージを切り分ける様子

ロースやヒレのような人気の部位は、一頭からとれる量がわずかです。一方で、スネやネック、切り分けたときに出る端の肉は、どうしても使い道に困りやすい部位です。

僕がソーセージ作りを始めたのは、ソーセージならどんな部位でも、どんな端材でも活かせると気づいたからです。部位の縛りがなく、味付けも、形も、組み合わせも自由。そして何より、ロスを出さずに済みます。せっかくいただいた命を、一頭まるごとおいしく食べきるための形が、僕にとってのソーセージでした。

ドットコミュ鹿さん 中山浩彰

ソーセージって、一頭を最後までおいしく食べきるための知恵なんですよね。そこに気づいたとき、これだ、と思いました。

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部位を知ると、鹿肉の楽しみ方が広がります

カウンターでハンバーグを食べる手元

鹿肉は、やわらかく焼いておいしいロース・ヒレ、量が多く使いやすいモモ、煮込みやひき肉に向くウデ・スネ・ネックと、部位によって向いている料理が変わります。どの部位も、中心部までしっかり火を通すのが基本です。

ブロック肉で料理を楽しむのもよし、ソーセージで一頭まるごとの味を手軽に味わうのもよし。部位の違いを知っておくと、鹿肉との付き合い方がぐっと広がると思います。

カフェの店内で振り返る男性

鹿肉でいちばんやわらかい部位はどこですか?
ロースの内側にあるヒレが、もっともやわらかい部位です。背中のロースもやわらかく、ステーキやローストに向いています。
鹿肉のモモはどんな料理に向いていますか?
量が多く使いやすい赤身なので、ロースト、焼き肉、薄切りにしての炒め物など、幅広い料理に使えます。
鹿肉のスネはどう食べるのがおすすめですか?
筋が多く焼くと硬くなりやすいため、時間をかけて煮込むのがおすすめです。ひき肉にして使うのにも向いています。
鹿肉はどのくらい加熱すればいいですか?
中心部の温度が75℃で1分以上、またはこれと同等以上の加熱が目安です。どの部位も中まで十分に火を通してください。

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記事を書いた人

中山 浩彰

中山 浩彰ドットコミュ店主

ドットコミュ代表/ソーセージクリエイター。1985年、福井県福井市生まれ。「人にもわんこにも、同じ真剣さで作ったごはんを」を信条に、素材と製法に一切妥協しない無添加の手作りソーセージを日々作り続けている。

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