鹿肉が手に入ったけれど、どう料理すればいいのかわからない。ステーキにしたら硬くなってしまった。ジビエを家で料理するとき、最初にぶつかるのがこの壁だと思います。
鹿肉は、脂が少なく、赤身の旨みが強い肉です。この特徴を知っておけば、家庭でも美味しく料理できます。この記事では、鹿肉を家で料理するときのおすすめの食べ方と、部位ごとに向く料理をご紹介します。
僕が初めて自分で獲った鹿を捌いて食べたとき、思わず「めちゃくちゃうまい…!」と声が出ました。その驚きが、いまの仕事の出発点です。

鹿肉を家で料理するのって、ちょっと勇気がいりますよね。でもコツさえ知っておけば大丈夫。初めて食べたときの驚き、ぜひ味わってほしいです。
鹿肉は「焼きすぎない」と「中まで火を通す」の両立

鹿肉料理でいちばん大切なのは、火の入れ方です。脂が少ないので、強い火で焼き続けると水分が抜けて、硬くパサついてしまいます。一方で、ジビエは生や半生では食べず、中心まで火を通すのが基本です。厚生労働省は、中心部の温度が75℃で1分間以上、またはこれと同等以上の加熱を目安として示しています。
この2つを両立させるコツは、強い火で一気に焼かず、やさしい火で時間をかけることです。そして、脂を補ったり、衣やソースで水分を閉じ込めたりする料理法を選ぶと、ぐっと失敗しにくくなります。
家庭で作りやすい、鹿肉の料理

| 料理 | 向く部位 | 美味しく作るコツ |
|---|---|---|
| ロースト | ロース、もも | 表面を焼いたら、弱めの火やオーブンでじっくり。温度計で中心を確かめる |
| 竜田揚げ | もも | 下味をつけて衣をまとわせると、水分が閉じ込められてやわらかい |
| ハンバーグ | すね、肩、端材(ひき肉) | 脂が少ないので、豚ひき肉やつなぎを合わせるとジューシーに |
| カレー・煮込み | すね、肩 | 筋の多い部位も、時間をかけて煮込むとほろほろになる |
| 炒め物 | もも(薄切り) | さっと炒めて、火が通ったらすぐに火から下ろす |
初めて鹿肉を料理するなら、竜田揚げかハンバーグがおすすめです。衣や、合わせる脂が鹿肉の弱点を補ってくれるので、硬くなりにくく、鹿肉の旨みもしっかり感じられます。

初めてなら竜田揚げかハンバーグ、これはほんとにおすすめです。鹿肉のおいしさを、気楽に知ってもらえると思います。
店で出している、鹿肉の食べ方

広島の僕たちの店でも、鹿肉をいろいろな形で出しています。家で作るときのヒントになりそうなものをご紹介します。
ひとつは「鹿肉のスマッシュバーガー」。ひき肉にした鹿肉を、熱い鉄板で押しつぶすように焼くハンバーガーです。薄く焼くので、短い時間で中まで火が通り、縁は香ばしく仕上がります。もうひとつは「鹿肉の肉味噌ピーマン」。名前のとおり、鹿肉の肉味噌とピーマンを合わせたおつまみです。家でも、ひき肉を味噌で炒めてピーマンと合わせれば、ご飯にもお酒にも合う一品になります。
そして、鹿肉のソーセージ。僕たちの「鹿ブラックペッパー」は、脂の少ない鹿肉に豚の脂を合わせてジューシーさを補い、使うたびに挽く黒胡椒と、腸詰めの直前に刻むイタリアンパセリで仕上げています。鹿肉の弱点を、ソーセージという形で補った食べ方です。

鹿肉の弱点を、ソーセージで補う。作り手としては、けっこう自信のある食べ方なんですよね。
鹿肉は、弱点を知れば家庭の肉になる

鹿肉は、脂が少なく赤身の旨みが強い肉です。焼きすぎないように、でも中まで火を通す。脂を補ったり、衣で包んだり、煮込んだりする料理を選べば、家庭でも美味しく作れます。
特別な技術はいりません。いつもの牛肉や豚肉の料理を、ときどき鹿肉に置き換えてみる。そんな気軽さで、山の肉を食卓に取り入れてみてください。

- 鹿肉のおすすめの食べ方は?
- ロースト、竜田揚げ、ハンバーグ、カレーや煮込みなどがおすすめです。脂が少ないので、衣で包んだり脂を補ったりすると、硬くなりにくく仕上がります。
- 鹿肉を硬くしないコツは?
- 強い火で焼き続けず、表面を焼いたら弱めの火でじっくり中まで火を通すのがコツです。
- 鹿肉はどれくらい加熱すればいいですか?
- 厚生労働省は、中心部の温度が75℃で1分間以上、またはこれと同等以上の加熱を目安として示しています。
- 鹿肉のハンバーグをジューシーにするには?
- 鹿肉は脂が少ないため、豚ひき肉やつなぎを合わせるとジューシーに仕上がります。






















