調味料(アミノ酸)とは|原材料表示のうま味調味料を読み解く

フライパンで焼く橙色のソーセージ2本
原材料表示の「調味料(アミノ酸)」は、グルタミン酸ナトリウムなどのうま味調味料をまとめて表す書き方です。何が入っているのか、「アミノ酸等」との違い、使わない場合は肉や昆布、鰹節からうま味をどう引き出すのかを、ソーセージを作る立場からお話しします。

原材料表示を見ていると、とてもよく出てくるのが「調味料(アミノ酸)」です。ソーセージにも、スナック菓子にも、お惣菜にも。あまりにもよく見かけるので、かえって何なのか気にしたことがない、という方も多いと思います。

調味料(アミノ酸)は、料理に「うま味」を足すための食品添加物です。この記事では、表示の意味と中身、そして使わない場合にうま味をどこから出しているのかを、ソーセージを作る立場からお話しします。

ドットコミュ鹿さん 中山浩彰

うま味って、日本の食卓にはずっとあるものなんですよね。表示の読み方がわかると、ぐっと身近に感じると思います。

調味料(アミノ酸)は、うま味調味料のこと

金属容器に入った粒状の混合スパイス

「調味料(アミノ酸)」と書かれているとき、中に入っているのは、グルタミン酸ナトリウムなどのうま味調味料であることが多いです。グルタミン酸は、昆布のうま味のもとになっている成分としても知られています。

うま味の成分には、ほかにもかつお節に多いイノシン酸、干ししいたけに多いグアニル酸などがあります。これらを工業的に作り、少量で安定してうま味を足せるようにしたのが、うま味調味料です。

昆布のうま味の正体がグルタミン酸だと突き止められたのは、1908年のことです。日本の研究者による発見で、そこから「うま味」は甘味・酸味・塩味・苦味と並ぶ味として知られるようになりました。うま味調味料は、日本の台所の知恵から生まれた技術ともいえます。

「調味料」は、まとめて書く名前です

梶谷農園緑一色の緑色ソーセージ真空パック

食品添加物は、原則として物質の名前で表示します。ただし、同じ目的で使うものには、まとめて表す名前(一括名)が認められています。「調味料」はそのひとつで、主な成分の種類を括弧で添えて書きます。

「アミノ酸」と「アミノ酸等」の違い

アミノ酸系のうま味調味料だけを使っている場合は「調味料(アミノ酸)」、アミノ酸系に加えて、核酸系など別の種類も使っている場合は「調味料(アミノ酸等)」と書かれます。「等」がついているかどうかで、何種類の系統が使われているかがわかります。

スラッシュの後ろに書かれる

原材料表示では、肉や塩などの原材料のあとにスラッシュ(/)を入れ、その後ろに食品添加物を書くのが一般的です。調味料(アミノ酸)も、このスラッシュの後ろに出てきます。

ドットコミュ鹿さん 中山浩彰

「等」の一文字にも意味があるの、ちょっと面白くないですか。表示って、読めば読むほど作り手の事情が見えてきます。

関連コラム 原材料表示の読み方|スラッシュの後ろを見れば分かること

ソーセージに使われる理由と、僕たちの場合

商品を並べた冷凍ショーケースの前に立つ人

ソーセージにうま味調味料を使うと、少ない量で味の輪郭がはっきりし、毎回同じ味に仕上げやすくなります。肉の状態は季節や個体で少しずつ変わるので、味を安定させるうえで頼りになる存在です。

実は僕たちの商品にも、調味料(アミノ酸)を使っているものがあります。飲食店向けの業務用ソーセージ(ホットドックサイズ・フランクフルトサイズ)です。たくさんの量を、お店で毎日同じ味で出してもらうための配合にしています。

一方で、猪プレーンや鹿ブラックペッパーなど、一般向けの定番ソーセージは、うま味調味料を使わずに作っています。たとえば鹿ブラックペッパーの原材料は、鹿肉、豚脂、食塩、香辛料、大蒜、三温糖、海藻粉末、生姜、イタリアンパセリ、昆布です。うま味は、肉そのものと、昆布や海藻から引き出しています。

目玉焼きと葉物を添えた焼きソーセージ2本

肉と昆布のうま味、食べてみませんか?

広島の鹿肉に、挽きたての黒胡椒と昆布を合わせた鹿ブラックペッパーなど、素材からうま味を引き出したソーセージをそろえています。

ソーセージを見る

うま味を、どこから出すか

ボウルでひき肉とパクチーを混ぜる工程

うま味調味料を使わない場合も、うま味がなくなるわけではありません。素材の中にもともとあるうま味を、組み合わせで引き出します。ドットコミュの商品で使っている素材を、うま味のもとと一緒にまとめました。

うま味のもと 主なうま味成分 使っている商品の例
肉(猪・鹿・豚など) イノシン酸 すべてのソーセージ
昆布・海藻粉末 グルタミン酸 鹿ブラックペッパー、猪プレーン
片口鰯・鰹節 イノシン酸 よいこソーセージ
調味料(アミノ酸) グルタミン酸ナトリウムなど 業務用ソーセージ

よいこソーセージは、うどん屋さんとのコラボで生まれた商品で、片口鰯、昆布、鰹節といった出汁の素材を練り込んでいます。出汁のうま味が、豚肉と鶏肉の味をやさしく包む仕上がりです。

ドットコミュ鹿さん 中山浩彰

肉そのもののうま味って、噛むほどじわっと出てくるんですよね。それを味わってほしくて、ソーセージを作っています。

関連コラム 食品添加物の基礎|種類と役割をひととおり

表示が読めると、うま味の出どころが見えてきます

ハンバーグの断面を切り分ける

調味料(アミノ酸)は、グルタミン酸ナトリウムなどのうま味調味料をまとめて表す書き方です。味を安定させ、少量でおいしさを足せる、よくできた技術でもあります。業務用のソーセージで僕たちが使っているのも、お店で毎日同じ味を出してもらうためです。

そのうえで、肉や昆布、鰹節から引き出したうま味を味わってみたいときは、スラッシュの後ろが短いソーセージを選んでみてください。同じ「おいしい」でも、うま味の出どころが違うと、食べたときの印象も少し変わります。

公園のテーブルで作業する男性たち

調味料(アミノ酸)とは何ですか?
グルタミン酸ナトリウムなど、アミノ酸系のうま味調味料をまとめて表す表示です。食品にうま味を足し、味を安定させるために使われます。
「調味料(アミノ酸)」と「調味料(アミノ酸等)」の違いは?
アミノ酸系だけを使っている場合は「アミノ酸」、核酸系など別の系統もあわせて使っている場合は「アミノ酸等」と書かれます。
ドットコミュのソーセージに調味料(アミノ酸)は入っていますか?
飲食店向けの業務用ソーセージには使っています。猪プレーンや鹿ブラックペッパーなどの定番ソーセージは使わずに作っており、原材料は商品ごとにパッケージと商品ページに記載しています。
うま味調味料を使わずに、うま味は出せますか?
出せます。肉に含まれるイノシン酸や、昆布・海藻のグルタミン酸など、素材のうま味を組み合わせて引き出します。

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記事を書いた人

中山 浩彰

中山 浩彰ドットコミュ店主

ドットコミュ代表/ソーセージクリエイター。1985年、福井県福井市生まれ。「人にもわんこにも、同じ真剣さで作ったごはんを」を信条に、素材と製法に一切妥協しない無添加の手作りソーセージを日々作り続けている。

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