朝ごはんのウインナー、お祭りのフランクフルト、ビールに合わせるソーセージ。ソーセージは、子どもから大人まで身近な食べものです。けれど、「ソーセージとウインナーは何が違うの?」「どうやって作っているの?」と聞かれると、意外と答えに迷うかもしれません。
僕は広島で、2017年からソーセージを作り続けてきました。この記事では、作り手の立場から、ソーセージとは何か、どんな種類があるのか、どうやって作られているのか、そして選ぶときに見ておきたいポイントまでを、ひととおりお話しします。
ソーセージとは
ソーセージは、ひき肉に塩や香辛料などを混ぜて練り、腸などの袋に詰めた食べものです。詰めたあとに、加熱したり、燻製にしたり、乾燥させたりして仕上げます。
もともとは、肉を無駄なく使いきり、保存するための知恵から生まれたと言われています。塊のままでは使いにくい部位や切れ端も、細かく挽いて味をつければ、美味しく食べられるようになります。
僕がソーセージ作りを始めたきっかけのひとつも、ソーセージならどんな部位でも活かせる、と気づいたことでした。部位の縛りがなく、味つけも形も組み合わせも自由に考えられて、何より肉のロスを出さずに済みます。
ソーセージとウインナーの違い
「ソーセージ」は、こうして作られる食べもの全体を指す言葉です。「ウインナー」はその中の一種類で、日本では主に太さによって呼び分けられています。ウインナーもフランクフルトも、どちらもソーセージの仲間ということですね。
ソーセージの種類
太さによる分類(ウインナー・フランクフルト・ボロニア)
日本のJAS(日本農林規格)では、ソーセージを使っている腸の種類や太さによって、次のように分けています。
| 種類 | 使う腸(ケーシング) | 太さの目安 |
|---|---|---|
| ウインナーソーセージ | 羊腸 | 20mm未満 |
| フランクフルトソーセージ | 豚腸 | 20mm以上36mm未満 |
| ボロニアソーセージ | 牛腸 | 36mm以上 |
腸を使っていない場合は、太さで分類されます。朝食によく登場する細いソーセージがウインナー、お祭りの屋台で見かける太めのものがフランクフルト、薄くスライスして食べる太いものがボロニア、というイメージです。
仕上げ方による分類(加熱済み・生・ドライ)
ソーセージは、どう仕上げているかによっても分けられます。買うときにいちばん気をつけたいのは、実はこちらの違いです。
スーパーで売られているウインナーの多くは、製造の段階で加熱されている「加熱済み」のソーセージです。一方で、専門店などでは、加熱していない「生ソーセージ」を扱っていることもあります。生ソーセージは、食べる前に必ず中までしっかり火を通す必要があります。
サラミのように、乾燥させて水分を減らしたものは「ドライソーセージ」と呼ばれます。JASでは、水分が35%以下のものがドライソーセージとされています。水分が少ないぶん、ぎゅっと凝縮した味わいが特徴です。
| 仕上げ方 | 特徴 | 食べ方 |
|---|---|---|
| 加熱済みソーセージ | 製造の段階で火が通っている | 温めるだけで食べられる |
| 生ソーセージ | 加熱していない状態で届く | 食べる前に必ず中まで加熱する |
| ドライソーセージ | 乾燥させて水分を減らしている | 薄く切ってそのまま食べることが多い |
ソーセージの作り方
ソーセージは、大きく分けると次のような流れで作られます。
1. 肉を切って、塩をなじませる
原料の肉を使いやすい大きさに切り分け、塩をなじませます。塩は味つけのためだけでなく、肉の生地をまとめるうえでも大切な役割を持っています。
2. 挽いて、練る
肉を挽き肉にして、香辛料やハーブなどと一緒に練り合わせます。粗く挽けば肉の食感がしっかり残り、細かく挽いてなめらかに練れば、ぷりっとしたやわらかい食感になります。挽き方や練るときの温度によって、仕上がりは大きく変わります。
3. 腸に詰める
練り上げた生地を、腸などのケーシングに詰めていきます。空気が入らないように詰め、一定の長さでねじって形を整えます。
4. 仕上げる
最後に、加熱や燻製、乾燥などを行って仕上げます。生ソーセージの場合は、この加熱をせずに、冷凍などで保存します。
僕たちは、肉のカットからミンチ、生地作り、腸詰めまで、すべての工程を広島の工房で行っています。粗挽き肉のしっかりとした肉感と、なめらかな生地の食感。挽き方、配合、温度、スパイスやハーブの調合を、何度も調整しながら仕上げています。
ソーセージの皮(ケーシング)について
ソーセージの皮は「ケーシング」と呼ばれます。羊や豚、牛の腸を使った「天然腸」と、コラーゲンやセルロースなどから作られた「人工ケーシング」があります。天然腸は、噛んだときのパリッとした食感が魅力です。僕たちのソーセージにも、羊腸を使っているものがあります。
ソーセージの選び方
加熱済みか、生か
まず確認したいのが、加熱済みのソーセージか、生ソーセージかです。加熱済みなら温めるだけで食べられますが、生ソーセージは中までしっかり火を通す必要があります。商品説明やパッケージの表示を見て、食べ方を確かめておきましょう。
使われている肉の種類
ソーセージの味わいは、使われている肉によって大きく変わります。豚肉のソーセージが一般的ですが、鶏肉や牛肉、羊肉、そして鹿肉や猪肉のようなジビエを使ったものもあります。いつもと違う肉のソーセージを選んでみると、味の違いを楽しめます。
原材料表示
パッケージの裏の原材料名の欄では、スラッシュ(/)などで原材料と添加物が区切られています。区切りより後ろに書かれているのが添加物です。何が使われているか気になるときは、ここを見ると中身がわかります。
保存方法
冷蔵、冷凍、常温など、ソーセージは商品によって保存方法が違います。すぐに食べるなら冷蔵、少しずつ楽しみたいなら冷凍、というように、食べるペースに合わせて選ぶと使いやすくなります。
僕たちのソーセージについて
僕がソーセージ作りを始めたのは、ドットコミュを立ち上げてからおよそ10ヶ月後のことです。肉屋での経験も、ソーセージ作りの修行経験もありませんでした。だからこそ「こうでなければならない」という決まりにとらわれず、自分たちが本当に食べたいソーセージを、試行錯誤しながら追いかけてきました。
僕たちのソーセージは、発色剤や保存料などの添加物を使わずに作っています。非加熱の生ソーセージを急速冷凍し、真空パックでお届けしているので、食べるときは沸騰直前のお湯に冷凍パックのまま入れて12〜13分ほど置き、フライパンで軽く焼き色をつけてください。
鹿や猪をはじめ、豚・鶏・羊・牛まで、これまでに40種類以上のソーセージを作ってきました。定番の味から、ちょっと驚くような個性派のフレーバーまで。「ソーセージにここまでできるのか」を、自分たちに問い続けながら作っています。
知るほど、ソーセージはもっと楽しくなる
ソーセージは、ひき肉に塩や香辛料を混ぜて腸などに詰めた食べもので、太さによってウインナー・フランクフルト・ボロニアに、仕上げ方によって加熱済み・生・ドライに分けられます。選ぶときは、加熱済みか生か、使われている肉、原材料表示、保存方法を見ておくと、自分に合ったソーセージを見つけやすくなります。
いつも何気なく食べているソーセージも、少し知っておくだけで、選ぶ楽しさや食べる楽しさがぐっと広がります。次にソーセージを手に取るときは、ぜひ裏の表示や種類にも目を向けてみてください。
- ソーセージとウインナーの違いは何ですか?
- ソーセージは、ひき肉に塩や香辛料などを混ぜて腸などに詰めた食べもの全体を指す言葉で、ウインナーはその中の一種類です。日本のJASでは、羊腸を使ったもの、または太さ20mm未満のものをウインナーソーセージとしています。
- ウインナー・フランクフルト・ボロニアはどう違いますか?
- 主に太さと使う腸で分けられます。JASでは、羊腸または太さ20mm未満がウインナー、豚腸または20mm以上36mm未満がフランクフルト、牛腸または36mm以上がボロニアです。
- 生ソーセージと普通のソーセージは何が違いますか?
- スーパーで売られているソーセージの多くは、製造の段階で加熱されています。生ソーセージは加熱していない状態のため、食べる前に必ず中までしっかり火を通してください。
- ドライソーセージとは何ですか?
- 乾燥させて水分を減らしたソーセージで、サラミなどが代表的です。JASでは、水分が35%以下のものをドライソーセージとしています。
















