ウインナーとフランクフルトは何が違うのか。朝食に出てくる細いほうがウインナーで、お祭りの屋台で串に刺さっている太いほうがフランクフルト。なんとなくそう思っている方が多いと思います。
その感覚は、実はほぼ正解です。この3つを分けているのは、味でも産地でもなく、太さと、肉を詰める袋の種類です。
僕はソーセージ作りを独学で始めて、これまでに40種類以上を作ってきました。肉のカットからミンチ、生地作り、腸詰めまで自分たちの工房でやっているので、太さを変えると何が変わるのかは、毎日いやというほど向き合っている話です。この記事では、分類のルールと、太さが食べたときの印象をどう変えるのかをお話しします。
ウインナー・フランクフルト・ボロニアの分け方

日本では、JAS(日本農林規格)でソーセージの種類が定められています。分け方の軸は2つです。何の腸に詰めたか、そして、できあがったものの太さがどれくらいか。
| 種類 | ケーシング | 太さ |
|---|---|---|
| ウインナーソーセージ | 羊腸 | 20mm未満 |
| フランクフルトソーセージ | 豚腸 | 20mm以上36mm未満 |
| ボロニアソーセージ | 牛腸 | 36mm以上 |
読み方に少しコツがあります。この規格は「羊腸を使ったもの、または太さが20mm未満のもの」という書き方をしています。つまり、腸を使っている場合は腸の種類で決まり、人工のケーシングを使っている場合は太さで決まる、という二段構えです。
だから、羊腸に詰めてあれば、できあがりが20mmを少し超えていてもウインナーに分類されます。僕たちが飲食店向けに作っているホットドッグ用のソーセージは、直径24mmの羊腸を使っていて1本80g。ホットドッグに挟むにはこのくらいの太さがちょうどいいのですが、腸で見ればウインナーの側になります。
名前の由来も並べておくと、ウインナーはオーストリアのウィーン、フランクフルトはドイツのフランクフルト、ボロニアはイタリアのボローニャから来ています。分類の名前になってはいますが、もとは地名です。
太さが変わると、食べたときに何が変わるのか

分類の話だけだと、太さはただの数字に見えます。でも作っている側からすると、太さは味の設計そのものです。
皮の存在感が変わる
細いソーセージほど、肉の量に対して皮の面積が大きくなります。だから噛んだときの「パキッ」という感じは、細いもののほうがはっきり出ます。朝食のウインナーが小気味よく感じるのは、この比率のおかげです。
太くなると、皮は相対的に控えめになり、肉そのものの食感が前に出てきます。かわりに、噛んだ瞬間に肉汁が一気に出てくる感じが強くなります。
火の入り方が変わる
太いソーセージは、中心まで火が入るのに時間がかかります。表面だけ先に焼けてしまうと、中が生のまま、ということが起きやすくなるわけです。逆に細いものは火が入りやすい代わりに、焼きすぎると水分が抜けてパサつきやすくなります。
同じ生地でも、太さが違えば加熱の仕方を変える必要がある。ここは家庭で焼くときにも効いてくるところです。
挽き方や配合も変わる
太いソーセージは一口が大きいので、粗挽きの肉感がそのまま伝わります。細いソーセージで同じ粗さにすると、今度はまとまりが出にくい。だから、太さを決めてから挽き方と配合を決めます。というより、作りたい食感が先にあって、それに合う太さを選ぶ、という順番のほうが近いかもしれません。
太さの違いを、食べ比べてみませんか?
広島の工房で、肉のカットから腸詰めまで自分たちの手で作っています。猪や鹿のジビエから、豚や鶏の定番まで。冷凍パックのまま湯煎するだけで食べられます。
ソーセージのラインナップを見るボロニアソーセージは、どこで見かけるのか

ウインナーとフランクフルトに比べると、ボロニアは名前を聞く機会が少ないかもしれません。36mm以上という太さなので、そのまま1本を食べるというより、スライスして食べる形が多くなります。
サンドイッチに挟まっている厚めのハムのようなもの、お弁当に入っている丸いソーセージ。あのあたりがボロニアの仲間です。魚肉ソーセージのような太さを思い浮かべてもらうと、サイズ感が近いと思います。
太いぶん、断面が絵になります。中にチーズやピスタチオ、香草を入れて、切ったときに模様が出るように作るのは、このサイズならではの楽しみ方です。
買うときに、太さをどう見ればいいか

お店で選ぶときに、いちいち直径を測る人はいません。それでも、何に使うかが決まっていれば、選び方はそれほど難しくありません。
| 使いたい場面 | 向いている太さ | 理由 |
|---|---|---|
| 朝食、お弁当 | 細め(ウインナー) | 短時間で火が入り、皮の食感が出やすい |
| ホットドッグ | やや太め | パンに負けず、1本で食べ応えが出る |
| ビールのお供、BBQ | 太め(フランクフルト) | 肉汁が多く、1本で満足感がある |
| サンドイッチ、前菜 | 極太(ボロニア) | スライスして使える |
僕たちの場合は、飲食店向けに、直径24mmの羊腸を使ったホットドッグサイズと、直径30mmの豚腸を使ったフランクフルトサイズを作り分けています。どちらも1本80g。同じ80gでも、パンに挟むのか、そのまま皿に乗せるのかで、気持ちのいい太さは変わります。
一般のお客さま向けに販売しているソーセージは、1パック110gで、2本入りのものが多いです。猪プレーンや鹿ブラックペッパーのようなジビエのソーセージは、粗挽きの肉感と、乳化させた滑らかな生地を混ぜて作っています。粗挽きだけだとほろほろと崩れてしまうので、滑らかな生地を合わせることで、噛んだときにパキッとした感じが出るようにしています。この作り方も、太さとセットで考えているところです。
太さを知ると、選ぶのが少し楽しくなる

ウインナー、フランクフルト、ボロニア。この3つを分けているのは、味ではなく太さとケーシングでした。細いほど皮の食感が立ち、太いほど肉と肉汁が前に出る。分類のルールは、そのまま食べたときの違いにつながっています。
次にソーセージを手に取るとき、「これはどのくらいの太さだろう」と少しだけ見てみてください。同じ売り場の景色が、ほんの少し変わって見えると思います。
- ウインナーとフランクフルトの違いは何ですか?
- JAS(日本農林規格)では、羊腸を使ったものまたは太さ20mm未満のものをウインナーソーセージ、豚腸を使ったものまたは太さ20mm以上36mm未満のものをフランクフルトソーセージとしています。味や産地ではなく、ケーシングと太さによる分類です。
- ボロニアソーセージとはどんなものですか?
- 牛腸を使ったもの、または太さ36mm以上のソーセージを指します。太いため、そのまま1本を食べるよりスライスして食べる形が多く、サンドイッチの具などに使われます。
- ウインナーという名前は何に由来していますか?
- オーストリアのウィーンに由来しています。フランクフルトはドイツのフランクフルト、ボロニアはイタリアのボローニャが名前のもとになっています。
- 太いソーセージと細いソーセージでは、焼き方を変えたほうがいいですか?
- 太いものは中心まで火が入りにくいので、弱めの火でじっくり加熱するほうが失敗しません。細いものは火が入りやすい一方で、焼きすぎると水分が抜けやすくなります。
- ドットコミュのソーセージはどの分類に入りますか?
- 飲食店向けに販売しているものは、直径24mmの羊腸を使ったホットドッグサイズと、直径30mmの豚腸を使ったフランクフルトサイズの2種類を作り分けています。いずれも1本80gです。











