減量期の食事は、たいてい途中でつらくなります。最初の1週間は勢いで乗り切れても、2週間目あたりから、食卓に座るのが楽しみでなくなってくる。
つらくなる原因は、カロリーを下げたことそのものではないと思っています。カロリーを下げる過程で、満足感まで一緒に削ってしまうからです。
満足感は、ひとつの塊ではありません。いくつかの要素でできていて、そのうちのどれを削ったかで、つらさがまったく変わります。僕は18歳から格闘技を続けていて、いまはブラジリアン柔術をやっています。この記事では、満足感を分解しながら、残すものと減らすものを分ける考え方をお話しします。
満足感は、4つの要素でできている

食べ終わったときに「食べた」と感じられるかどうか。これを作っているのは、主に次の4つです。
| 要素 | 何が効いているか | 減量期の扱い |
|---|---|---|
| たんぱく質の量 | 腹持ちに関わる | 減らさない |
| 噛む回数 | 食べた実感につながる | むしろ増やす |
| 香りと味の濃さ | 少量でも満足しやすい | 残す |
| 脂の量 | おいしさに直結するが、カロリーが高い | ここを調整する |
減量でよくある失敗は、この4つをまとめて減らしてしまうことです。量を半分にすると、たんぱく質も、噛む回数も、香りも、脂も、全部半分になります。カロリーは確かに下がりますが、満足感も一緒に落ちるので続きません。
下げるのは脂の量だけ。ほかの3つは、むしろ意識して残す。そう決めるだけで、同じカロリーでも食事の感じ方がかなり変わります。
カロリーを落とすなら、脂質から

なぜ脂質かというと、単純に、1gあたりのカロリーが違うからです。
たんぱく質は1gあたり4kcal、炭水化物も4kcal。これに対して、脂質は1gあたり9kcalあります。つまり、同じ1gを減らしたときの効き方が倍以上違います。
肉で見てみると、差がはっきりします。
| 食材(100g・生) | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 |
|---|---|---|---|
| 鶏ささみ | 98kcal | 23.9g | 0.8g |
| 鶏むね(皮なし) | 105kcal | 23.3g | 1.9g |
| にほんじか 赤肉 | 119kcal | 23.9g | 4.0g |
| 豚ロース(脂身つき) | 248kcal | 19.3g | 19.2g |
鶏ささみと豚ロースでは、たんぱく質の差は4.6gしかありません。ところがカロリーは150kcal違います。この差を作っているのは、ほぼ脂質です。
だから、減量期に肉をやめる必要はありません。脂の少ない部位に寄せればいい。肉を食べているという事実は、満足感のうち「噛む回数」と「たんぱく質の量」をまとめて支えてくれます。
ただし、脂を完全に抜くのはおすすめしません。脂は香りを運ぶものでもあるので、ゼロにすると食事が急に味気なくなります。減らすのと、なくすのは違います。
噛む回数を増やすと、量を減らしても満たされる

柔らかいものばかり食べていると、食べた実感が残りません。同じカロリーなら、噛む回数が多いほうが満足します。
やることは単純です。細かく刻まない。大きめに切る。赤身のしっかりした肉を選ぶ。野菜も、茹ですぎずに歯ごたえを残す。
減量中にスープやスムージーばかりになると、栄養は足りているのに物足りない、という状態になりがちです。噛む対象が皿の上にあるかどうかを、一度確かめてみてください。
鹿肉のような赤身の肉は、この点ではかなり役に立ちます。繊維がしっかりしていて噛みごたえがあり、噛むほどに味が出ます。脂質は100gあたり4.0gなので、鶏むね肉ほどではないものの、十分に低い部類です。
我慢しない一品を、冷凍庫に置いておきませんか?
広島の工房で、挽きたてのスパイスとフレッシュハーブを合わせて作っています。湯煎して焼くだけなので、練習で疲れた日でも用意できます。
ソーセージのラインナップを見る香りと味の濃さは、最後まで残す

減量期にいちばん削られやすいのが、ここだと思います。味つけを薄くして、香りのあるものを避けて、茹でた鶏むね肉と白米だけ、という形に落ち着いていく。
でも、スパイスやハーブにカロリーはほとんどありません。黒こしょう、クミン、パプリカ、山椒、柑橘の皮。こういうものを足しても、数字はほぼ動きません。動くのは、食べたときの満足度のほうです。
僕たちがソーセージを作るときも、スパイスはインドから取り寄せたホールのものを、使うたびに挽いています。ハーブは広島近郊で摘んだものを、腸詰めの直前に刻んで混ぜる。手間はかかりますが、香りの立ち方が違います。
減量中だからこそ、香りに贅沢をしてもいいと思っています。カロリーを使わずに満足感を上げられる、数少ない場所です。
減量期でも食べられるソーセージはあるか

ソーセージは、一般には減量中に避けられる食べ物だと思います。脂を練り込んで作るものなので、脂質が高くなりやすいのは事実です。
僕たちの商品の中では、「羊ティムールペッパー」がいちばん減量期に寄っています。1パック110gあたり、エネルギー174kcal、たんぱく質21.2g、脂質12.7g。ほかの定番が240〜350kcalの幅にいるので、ひとつだけ数字が違います。
理由は原材料です。この商品は羊肉(オーストラリア産)100%で作っていて、豚脂を使っていません。赤身も脂も、全部羊です。生地を作る当日にミンチして、挽きたてのものを使います。ネパール山椒とも呼ばれるティムールペッパーが入っていて、柑橘のような香りとぴりっとした痺れがあります。味は濃いのに、数字は軽い。減量期の満足感の話をするなら、こういう一本です。
間食なら、鹿肉ジャーキーという手もあります。1パック20gで75kcal、たんぱく質14.0g、脂質2.1g。原材料は鹿肉、食塩、ブラックペッパー、ガーリックパウダーの4つだけです。硬いので、噛む回数もかなり稼げます。
削るのは脂だけ。あとは残す

減量期の食事で下げるのは脂質。たんぱく質の量、噛む回数、香りの3つは、減らさずに残す。整理するとこれだけです。
体調や目的は人によって違いますし、競技をしている方なら、その競技に合わせた組み立てが必要になります。それでも、「我慢の総量を増やすほど成果が出る」という考え方だけは、いったん脇に置いてもいいと思います。
続かない食事は、どれだけ計算が合っていても結果になりません。今日の夕飯を少し楽しみにできる形を探すほうが、たぶん近道です。
- 減量期は、脂質と炭水化物のどちらを減らすべきですか?
- カロリーの落としやすさでいうと、脂質のほうが効率的です。脂質は1gあたり9kcal、炭水化物とたんぱく質は1gあたり4kcalのためです。ただし脂質をゼロにすると食事の満足感が落ちやすいので、減らすことと、なくすことは分けて考えるのがおすすめです。
- 減量中に肉を食べてもいいですか?
- 脂の少ない部位を選べば、減量中でも肉は有力な選択肢です。鶏ささみ(100gあたり98kcal・たんぱく質23.9g)、鶏むね肉(105kcal・23.3g)、鹿肉の赤身(119kcal・23.9g)などが挙げられます。
- 減量中でもソーセージを食べられますか?
- 商品によって数字はかなり違います。ドットコミュの「羊ティムールペッパー」は1パック110gあたり174kcal、たんぱく質21.2g、脂質12.7gで、羊肉100%・豚脂不使用で作っています。
- 間食にはどんなものが向いていますか?
- たんぱく質が多く、噛みごたえのあるものが向いています。ドットコミュの鹿肉ジャーキーは1パック20gあたり75kcal、たんぱく質14.0g、脂質2.1gです。
- 減量中に味つけを薄くしたほうがいいですか?
- 塩分は控えめにしつつ、スパイスやハーブで香りを足すのがおすすめです。香辛料はカロリーがほとんどないため、満足感を上げる助けになります。











