ソーセージの焼き方|割れる・パサつくを防ぐ温度の話

フライパンで焼かれている4本のソーセージ
ソーセージが割れるのも、パサつくのも、原因は温度です。皮が裂ける仕組みから、フライパン・湯煎・網焼きそれぞれの温度の合わせ方、穴を開けないほうがいい理由まで、作り手の立場から焼き方のコツをまとめました。

フライパンでソーセージを焼いていたら、パチッと音がして皮が裂けた。中から肉汁が流れ出て、食べるころにはなんだか味気なくなっていた。

この失敗は、焼く人の腕とはあまり関係がありません。ほとんどの場合、フライパンが熱すぎただけです。

僕は2016年からイベントに出て外でホットドッグを焼いてきましたし、いまは工房の隣で店もやっています。毎日ソーセージを焼く立場から言うと、焼き方の要点は一つに尽きます。温度を上げすぎないこと。

この記事では、割れる仕組みとパサつく仕組みを整理したうえで、フライパン・湯煎・網焼きのそれぞれでどう温度を合わせるかをお話しします。

ソーセージが割れる理由

フライパンで焼いたソーセージにフォークを刺しているところ

ソーセージの中には、肉と脂と水分が、皮に包まれた状態で詰まっています。ここに熱を加えると、2つのことが同時に起きます。

ひとつは、たんぱく質が縮むこと。加熱されたたんぱく質は縮んで、抱え込んでいた水分を外に押し出します。もうひとつは、内部の水分が蒸気に変わること。蒸気は水よりずっと体積が大きいので、中から皮を押し広げます。

この2つが急に起きると、皮が耐えきれずに裂けます。裂けた瞬間に、中の肉汁と脂が流れ出る。だから、割れたソーセージはパサついて感じるわけです。割れることとパサつくことは、別の失敗ではなく、同じ失敗の前半と後半です。

逆に言えば、温度をゆっくり上げてやれば、たんぱく質の収縮も蒸気の発生もおだやかに進みます。皮は裂けず、水分は中に残ります。

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フライパンで焼くときの温度

柔術着姿でフライパンのソーセージを焼く男性

家庭でいちばん多い焼き方だと思います。コツは3つです。

1. 弱火から始める

強火で焼き目をつけてから弱火に、という手順は、ステーキには向いていてもソーセージには向きません。中に水分を抱えているので、表面だけ先に固めると、あとから中の蒸気が逃げ場を失います。

最初から弱火で、じっくり温度を上げていくほうが失敗しません。店でテイクアウトの商品を仕上げるときも、油を引いたフライパンに乗せて、とろ火で5分、ひっくり返してさらに5分。この10分は、急いでも短くならない時間です。

2. 蓋をする

蓋をすると、フライパンの中に蒸気がこもって、ソーセージの周りを包みます。上からも下からも同じくらいの温度で温まるので、中心まで火が入りやすくなります。表面だけ焦げて中が冷たい、という失敗が減ります。

3. 穴を開けない

破裂を防ぐために、フォークで穴を開けるという方法を聞いたことがあるかもしれません。たしかに蒸気は逃げますが、一緒に肉汁も逃げます。

温度さえ上げすぎなければ、穴を開けなくても皮は裂けません。穴を開けずに済むように焼く、というほうが結果としておいしくなります。

ドットコミュのソーセージ

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広島の工房で、挽きたてのスパイスとフレッシュハーブを合わせて作っています。湯煎して軽く焼くだけで、外はパリッと、中はジューシーに仕上がります。

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湯煎してから焼く、という方法

鍋でクミンとガーリックの真空パックを湯煎する様子

僕たちがおすすめしているのは、先に湯煎で中まで火を通して、そのあとフライパンで焼き色だけをつけるやり方です。

工程を2つに分けると、それぞれの役割がはっきりします。湯煎は「中心まで火を入れる」ための工程。焼きは「香ばしさと焼き色をつける」ための工程。この2つを同時にやろうとするから、どちらかが犠牲になります。

工程 温度・時間 目的
湯煎 90〜95℃で12〜13分 中心まで火を入れる
焼く フライパンで表面だけ 焼き色と香ばしさをつける

湯煎のときは、ぐつぐつ沸騰させないでください。沸騰直前まで温めたら火を止めるか、ごく弱火にして、真空パックのまま入れて置いておきます。僕たちの商品なら、ポークソーセージが12分、猪や鹿のジビエ系が13分を目安にしています。

そのあとの焼きは、本当に表面だけです。こんがり色がついたら、それ以上は火にかけないでください。ここで長く焼くと、せっかく中に残した水分が抜けていきます。

網で焼くとき、外で焼くとき

鉄板で焼いた橙色のソーセージと目玉焼き

BBQやキャンプでは、フライパンよりも温度が読みにくくなります。炭は場所によって火力が違いますし、風でも変わります。

外で焼くときのコツは、網の上に「強いところ」と「弱いところ」を作っておくことです。炭を片側に寄せて、反対側を弱火のゾーンにする。弱いほうでゆっくり中まで温めて、最後に強いほうへ移して焼き色をつけます。

もっと確実なのは、家で湯煎をしてから持っていく方法です。中心まで火が通った状態で現場に着くので、あとは網で温めながら焼き色をつけるだけ。炭火で表面だけ焦げて中が生、という心配がなくなります。

僕たちのソーセージは非加熱の生ソーセージなので、外で焼くときはとくに、中までしっかり火を通してください。食肉は中心部が75℃で1分以上を目安に、と言われています。切ってみて、断面がきれいに色づいていれば大丈夫です。

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焼き方を一覧で確認する

フライパンで3種のソーセージをトングで返しながら焼く様子

方法 火加減 時間の目安 向いている場面
フライパン(蓋あり) とろ火 片面5分ずつ 朝食、夕食の一品
湯煎+焼き 90〜95℃→弱火 12〜13分+焼き色 いちばん失敗しにくい
網焼き 弱いゾーンから 様子を見ながら BBQ、キャンプ
湯煎してから網へ 弱火で温める程度 焼き色がつくまで 外で確実に仕上げたいとき

どの方法でも、共通しているのは「急がない」ことです。10分かかると思って火にかけたほうが、結果として早く美味しくなります。

温度を下げると、ソーセージは裂けなくなる

フライパンから焼き上がったソーセージをフォークで持ち上げているところ

割れるのも、パサつくのも、原因は同じところにありました。温度を上げすぎたこと。だから対策も同じです。弱火で、蓋をして、穴は開けない。

上手に焼けたソーセージは、噛んだときに皮がぱきっと切れて、中から肉汁が出てきます。あの瞬間のために、火加減を一段落としてみてください。それだけで、いつものソーセージがかなり変わると思います。

ソーセージが焼いている途中で割れてしまうのはなぜですか?
火が強すぎることが主な原因です。急に加熱されると内部の水分が蒸気になって膨らみ、皮が裂けてしまいます。弱火でゆっくり加熱すると、割れにくくなります。
ソーセージにフォークで穴を開けたほうがいいですか?
おすすめしていません。蒸気は逃げますが、同時に肉汁も流れ出てしまいます。火加減を弱くすれば、穴を開けなくても皮は裂けにくくなります。
いちばん失敗しにくい焼き方はどれですか?
先に湯煎で中心まで火を通し、そのあとフライパンで表面に焼き色をつける方法です。ドットコミュのソーセージなら、沸騰直前のお湯(90〜95℃)に真空パックのまま入れて12〜13分が目安です。
フライパンで焼くときは、蓋をしたほうがいいですか?
蓋をすると蒸気がこもり、中心まで火が入りやすくなります。油を引いたフライパンに乗せて蓋をし、とろ火で5分、ひっくり返してさらに5分が目安です。
ドットコミュのソーセージは、そのまま食べられますか?
非加熱の生ソーセージですので、必ず加熱してからお召し上がりください。
BBQで焼くときに気をつけることはありますか?
炭を片側に寄せて火力の弱いゾーンを作り、そちらでゆっくり温めてから焼き色をつけてください。家で湯煎をしてから持っていくと、中まで火が通った状態で焼き始められます。

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記事を書いた人

中山 浩彰

中山 浩彰ドットコミュ店主

ドットコミュ代表/ソーセージクリエイター。1985年、福井県福井市生まれ。「人にもわんこにも、同じ真剣さで作ったごはんを」を信条に、素材と製法に一切妥協しない無添加の手作りソーセージを日々作り続けている。

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