スーパーでソーセージを手に取って、裏の原材料表示を見る。肉や塩のあとに、「リン酸塩(Na)」「調味料(アミノ酸等)」「亜硝酸Na」とカタカナが続きます。どれも聞いたことはあるけれど、何のために入っているのかまでは、意外と知られていないと思います。
この記事では、ソーセージによく使われる食品添加物を一覧にして、それぞれの役割をお話しします。怖がるためではなく、知ったうえで選べるようになるための記事です。
書いているのは、広島で添加物を使わないソーセージを作っている僕です。使わない側から見ると、添加物がどれだけよくできた技術なのかが、かえってよくわかります。
ソーセージの添加物は「/」のあとに並んでいる

加工食品の原材料表示では、原材料と添加物を「/」(スラッシュ)や改行などで分けて書くことになっています。ソーセージなら、「豚肉、豚脂、食塩、香辛料」のような原材料が先に、「/」のあとに添加物が続きます。どちらも、使った量の多い順です。
つまり、そのソーセージに何の添加物が入っているかを知りたいときは、「/」のあとを読めばいいということです。ソーセージの場合、並ぶ添加物の顔ぶれはだいたい決まっています。
よく使われる食品添加物の一覧

ソーセージの原材料表示でよく見かける添加物を、役割ごとにまとめました。
| 表示の例 | 主な役割 | 分類 |
|---|---|---|
| 亜硝酸Na(発色剤) | 肉のピンク色を保つ。ボツリヌス菌が増えるのを抑える | 色・日持ち |
| リン酸塩(Na) | 肉に水分を抱えさせ、プリッとした食感にする | 食感 |
| 調味料(アミノ酸等) | うま味を足す | 味 |
| 酸化防止剤(ビタミンC) | 脂や色が変わるのを防ぎ、発色を助ける | 色・日持ち |
| 保存料(ソルビン酸K) | カビや細菌が増えるのを抑える | 日持ち |
| 着色料(コチニール、紅麹) | 赤みのある色に整える | 色 |
| 増粘多糖類、カゼインNa | 生地のまとまりや食感を補う | 食感 |
| くん液 | 燻製の香りをつける | 香り |
すべてのソーセージにこれが全部入っているわけではありません。商品によって、使うものも量も違います。気になる商品があれば、この表と裏の表示を見比べてみてください。
添加物の役割は「色・食感・味・日持ち」の4つ

色:ピンク色を保つ
お店で見かけるソーセージのきれいなピンク色は、多くの場合、発色剤の亜硝酸Naによるものです。肉は加熱すると灰色がかった茶色になりますが、発色剤を使うと、ハムのようなピンク色が残ります。
食感:プリッとさせる
リン酸塩は、肉のたんぱく質が水分を抱え込む力を高めます。そのおかげで、ソーセージはしっとりと、プリッとした食感になります。
味:うま味を足す
「調味料(アミノ酸等)」は、グルタミン酸ナトリウムなどのうま味成分です。どんな肉を使っても、安定したうま味に仕上げることができます。
日持ち:傷みにくくする
亜硝酸Naや保存料は、細菌が増えるのを抑えて、冷蔵で流通させる期間を支えています。冷蔵の棚に並ぶソーセージがいつでも買えるのは、この技術があるからです。
添加物は、基準の範囲で使われている技術

食品添加物は、国が安全性を評価したうえで、使ってよいものと、使える量が決められています。たとえば発色剤の亜硝酸Naは、ソーセージなどの食肉製品では、1kgあたり亜硝酸根として0.070gを超えて残ってはいけない、という基準があります。
だから、添加物が入っているソーセージを必要以上に怖がることはありません。安定した品質のソーセージを、手ごろな値段で、いつでも買えるようにしてくれているのは、こうした技術です。
そのうえで、「何が入っているかを知ったうえで選びたい」という気持ちも、とても自然なものだと思います。添加物の入ったものも、入っていないものも、それぞれに良さがあります。
添加物を使わないなら、何で代わりにするのか

僕たちの定番の「猪プレーン」の原材料は、猪肉、豚脂、塩、海藻粉末、砂糖。「/」のあとには何もありません。では、添加物が担っていた4つの役割を、どうしているのか。
日持ちは、冷凍で担っています。作ったらすぐに急速冷凍して、真空パックでお届けしています。味は、肉そのものと、使うたびに挽くスパイスや摘みたてのハーブで作ります。食感は、粗く挽いた肉と、なめらかに練った生地を合わせることで、肉感とジューシーさを両立させています。
そして色は、代わりのものを使っていません。発色剤を使わないので、焼くと灰色がかった茶色になります。一本ずつの仕上がりも、少しずつ違います。見た目は地味かもしれませんが、それが肉そのものの色です。
正直にお伝えしておくと、僕たちの商品のすべてが無添加というわけではありません。飲食店向けの業務用のホットドッグ用ソーセージには、調味料(アミノ酸)を使っています。だからこそ、どの商品も原材料をそのまま表示しています。
一覧を知ると、裏の表示が読めるようになる

ソーセージの添加物は、色・食感・味・日持ちの4つの役割のどれかを担っています。一覧を一度見ておけば、「/」のあとに並ぶカタカナが、何のために入っているのかがわかるようになります。
全部を避ける必要はありません。今日はいつものソーセージ、週末は原材料の短いソーセージ。そんなふうに、知ったうえで選べることが、いちばん大切だと思います。
- ソーセージにはどんな食品添加物が使われていますか?
- よく使われるのは、発色剤(亜硝酸Na)、リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、保存料(ソルビン酸K)、着色料などです。商品によって使われるものは違います。
- ソーセージのリン酸塩は何のために入っていますか?
- 肉のたんぱく質が水分を抱え込む力を高め、しっとりとしたプリッとした食感にするために使われます。
- 原材料表示のどこを見れば添加物がわかりますか?
- 原材料と添加物は「/」や改行などで区分して表示されます。「/」のあとに書かれているものが添加物です。
- 無添加のソーセージはピンク色になりませんか?
- 発色剤を使わないソーセージは、焼くと灰色がかった茶色になります。肉そのものの色で、品質に問題があるわけではありません。











