犬に鹿肉のおやつは大丈夫?|選び方と「無添加」の確かめ方

犬に鹿肉のおやつは大丈夫?|選び方と「無添加」の確かめ方
犬に鹿肉のおやつを与えても大丈夫なのか。鹿肉が犬のおやつに選ばれている理由と、「無添加」と書かれたパッケージの確かめ方、原材料表示でよく見かける添加物の役割、そして与えるときに気をつけたいことをまとめました。おやつは、原材料欄から選べます。

ペットショップや通販サイトで、「鹿肉」と書かれた犬用のおやつを見かけて、気になっている方もいると思います。ヘルシーそうだけれど、うちの子に与えても大丈夫なのか。普段のおやつと何が違うのか。初めてだと、少し迷いますよね。

鹿肉は、ポイントを押さえて選べば、犬のおやつとして取り入れやすい食材です。そして選ぶときに頼りになるのが、パッケージの裏にある原材料表示です。

僕は広島で人間用のソーセージを作りながら、犬用ソーセージ「SAUSAGE FOR DOGS」も手がけています。この記事では、作り手の立場から、鹿肉のおやつを選ぶときのポイントと、「無添加」という表示の確かめ方をお話しします。

犬に鹿肉を与えても大丈夫?

基本的には、犬に鹿肉を与えても問題ありません。鹿肉は、犬用のおやつやフードの原材料としても使われている食材です。

そのうえで、安心して与えるために意識しておきたいことが3つあります。

  • 十分に加熱されたものを与える
  • おやつとしての量を守る
  • 初めてのときは少量から様子を見る

鹿肉に限らず、野生動物の肉は寄生虫などへの配慮から、しっかり加熱して食べるのが基本です。これは人が食べる場合も犬が食べる場合も変わりません。市販の犬用おやつであれば、加熱処理されているかどうかを商品説明で確認しておくと安心です。

量や与え方の目安については、記事の後半で詳しくご紹介します。

鹿肉が犬のおやつに選ばれている理由

高たんぱく・低脂質

鹿肉は、牛肉や豚肉と比べて脂質が少なく、たんぱく質を多く含む赤身の肉です。脂身が少ないぶん、カロリーを抑えながらたんぱく質をとりやすいのが特徴です。

体重を気にしているワンちゃんや、よく運動するワンちゃんのおやつとしても、取り入れやすい食材と言えます。

鉄分を含む赤身の肉

鹿肉は鉄分を含む赤身の肉で、色が濃いのもそのためです。噛みごたえのあるしっかりとした食感も、鹿肉のおやつならではの魅力です。

多くの犬にとって「食べたことのない肉」

鹿肉が注目される理由として、もうひとつよく挙げられるのが、食物アレルギーとの関係です。

食物アレルギーは、これまでに食べたことのあるたんぱく質に対して起こるものです。そのため動物病院では、アレルギーが疑われる犬に対して、その子がまだ食べたことのないたんぱく源(新奇たんぱく)を使った食事を試すことがあります。鹿肉は、その候補のひとつとして使われることがある肉です。

ここで大切なのは、鹿肉そのものに特別な性質があるというより、多くの犬にとってまだ口にしたことのない肉だから選択肢になる、という点です。鶏肉や牛肉を普段からよく食べている子にとって、鹿肉は新しい選択肢になり得ます。

ただし、アレルギーがまったく起きないわけではありません。アレルギーの症状が出ている場合は、自己判断でおやつを切り替えるのではなく、かかりつけの獣医師に相談してください。

「無添加」と書いてあったら、原材料欄も見てみる

犬のおやつを選ぶとき、「無添加」という表示を目安にしている方も多いと思います。とても自然な選び方です。そのうえで、もう一歩だけ確かめておきたいのが、原材料欄です。

「無添加」という言葉は、何を加えていないのかが商品によって異なります。保存料を使っていないという意味の商品もあれば、着色料を使っていないという意味の商品もあります。どちらも表示としては「無添加」ですが、中身は同じではありません。

日本で販売される犬用・猫用のペットフードは、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」によって、原材料名や原産国名などの表示が義務づけられています。添加物も原材料名の欄に書かれるので、この欄を見ればその商品に何が使われているかを確かめられます。

パッケージの「無添加」の文字とあわせて、裏の原材料欄も見てみる。それだけで、商品選びはぐっと確かなものになります。

原材料表示でよく見かける添加物と役割

ペット用のおやつに使われる添加物には、それぞれ役割があります。保存性を高めたり、見た目や食感を保ったりするための技術で、ペットフード安全法の基準の範囲内で使われています。

避けなければいけないものではありませんが、何のために入っているのかを知っておくと、原材料欄を見たときに判断しやすくなります。

表示の例 主な役割 よく使われる商品
発色剤(亜硝酸ナトリウム) 肉の赤い色を保つ ジャーキー、ソーセージなどの肉加工品
保存料(ソルビン酸カリウムなど) カビや細菌の増えるのを抑える やわらかいタイプのおやつ
酸化防止剤(ミックストコフェロールなど) 脂が酸化するのを防ぐ 脂を含むおやつ、ドライフード
保湿剤(グリセリンなど) しっとりとしたやわらかさを保つ 半生タイプのジャーキー
着色料 見た目の色を整える 色のついたおやつ、ガム

鹿肉のジャーキーやソーセージを選ぶときは、原材料欄に肉の名前以外に何が書かれているかを見てみてください。肉の名前だけが書かれていれば、素材そのものを使ったおやつだとわかります。

ドットコミュの犬用ソーセージ

おやつの原材料、確かめてみませんか?

ドットコミュの犬用ソーセージは、広島の山で獲れた鹿と猪の肉だけで作っています。塩も香辛料も入っていません。

犬用ソーセージを見る

犬用の鹿肉おやつを選ぶときのポイント

ここまでの内容をふまえて、鹿肉のおやつを選ぶときに見ておきたいポイントを整理します。

原材料がシンプルか

まずは原材料欄です。鹿肉のほかに何が入っているかを確認します。肉の名前だけで作られているものは、素材の味と香りをそのまま楽しめます。

肉の産地や由来がわかるか

ペットフード安全法で表示が義務づけられている「原産国名」は、最終的に加工された国を指します。肉がどこで獲れたかまで知りたい場合は、商品説明やメーカーの案内を見てみてください。産地や作り手の情報がていねいに書かれている商品は、選ぶときの安心材料になります。

加熱されているか、形や大きさが合っているか

加熱処理されているかどうかに加えて、愛犬の体の大きさや噛む力に合った形かどうかも大切です。大きなものは、与えるときに小さく切り分けてあげると食べやすくなります。

保存方法と、食べきれる量か

冷凍・冷蔵・常温など、保存方法は商品によって異なります。開封したあとにどのくらいで食べきる必要があるかを確認し、愛犬が食べるペースに合った量を選びましょう。

チェックすること 見るところ 選ぶときの目安
原材料 原材料名の欄 鹿肉以外に何が入っているかがわかる
肉の産地・由来 商品説明、メーカーの案内 どこで獲れた肉かが書かれている
加熱の有無・形 商品説明、パッケージの写真 加熱済みで、愛犬の大きさに合った形
保存方法・量 保存方法、賞味期限の表示 開封後に無理なく食べきれる量

鹿肉のおやつを与えるときに気をつけたいこと

おやつは1日の摂取カロリーの10%程度までを目安に

おやつは、1日に必要なカロリーの10%程度までにとどめるのが一般的な目安とされています。栄養のバランスは主食のフードでとり、鹿肉のおやつはごほうびやコミュニケーションの時間に取り入れてあげてください。

初めてのときは少しだけ

新しい食材を与えるときは、少量から始めて、その日の便の状態や体をかゆがる様子がないかを見てあげると安心です。

人間用のソーセージは分けない

一緒に食卓を囲んでいると、つい分けてあげたくなりますが、人間用のソーセージは犬用とは別に考えてください。人間用には塩や香辛料が使われていることが多く、商品によっては犬に与えてはいけない玉ねぎやにんにくなどが含まれていることもあります。

持病がある場合は獣医師に相談を

腎臓や肝臓などに持病があり、食事の内容を管理しているワンちゃんの場合は、新しいおやつを与える前に、かかりつけの獣医師に相談してください。

ドットコミュの犬用ソーセージ「SAUSAGE FOR DOGS」

僕がドットコミュを立ち上げたのは2016年。広島で猟師仲間から仕入れた鹿や猪を解体・精肉するところから始めました。今は肉のカットから腸詰めまで僕たちの手で行い、これまでに40種類以上の人間用ソーセージを作ってきました。

2022年6月には、犬用ソーセージのブランド「SAUSAGE FOR DOGS」を立ち上げました。使っているのは、広島の山で獲れた鹿と猪の肉です。人間用のソーセージには味つけに塩や香辛料を使いますが、犬用にはそれも入れず、肉だけで作っています。

原材料欄に書かれているのは、肉の名前だけです。この記事でお話ししてきた選び方のポイントに照らしても、何が入っているかがひと目でわかるおやつにしています。

そして僕自身も、2026年2月から犬と暮らし始めました。

愛犬のおやつは、原材料欄から選ぶ

鹿肉は、加熱されたものを適量与えれば、犬のおやつとして取り入れやすい食材です。そして選ぶときにいちばん頼りになるのは、パッケージの裏にある原材料欄です。

ワンちゃんは自分でおやつを選ぶことができません。だからこそ、飼い主さんが原材料欄を見て選んだおやつは、それだけで愛犬のことを考えた、ていねいな選択だと思います。

犬に鹿肉のおやつを毎日与えてもいいですか?
おやつの量が、1日に必要なカロリーの10%程度までに収まっていれば、毎日のごほうびとして与えていただけます。栄養のバランスは主食のフードでとるようにしてください。
子犬やシニア犬にも鹿肉を与えられますか?
与えることはできますが、消化機能や噛む力には個体差があります。小さく切り分けて少量から始め、様子を見てあげてください。気になることがある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
生の鹿肉を犬に与えても大丈夫ですか?
野生動物の肉は、寄生虫などへの配慮から、十分に加熱したものを与えるのが基本です。市販のおやつを選ぶ場合も、加熱処理されているかどうかを確認すると安心です。
鹿肉なら食物アレルギーは起きませんか?
鹿肉は多くの犬にとって食べ慣れていない肉のため、新しいたんぱく源として選ばれることがありますが、アレルギーがまったく起きないわけではありません。初めて与えるときは少量から試し、症状がある場合は獣医師にご相談ください。
人間用のソーセージを犬に分けてもいいですか?
おすすめしません。人間用のソーセージには塩や香辛料が使われていることが多く、商品によっては犬に与えてはいけない玉ねぎやにんにくが含まれている場合もあります。犬には犬用のおやつを選んであげてください。

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記事を書いた人

中山 浩彰

中山 浩彰ドットコミュ店主

ドットコミュ代表/ソーセージクリエイター。1985年、福井県福井市生まれ。「人にもわんこにも、同じ真剣さで作ったごはんを」を信条に、素材と製法に一切妥協しない無添加の手作りソーセージを日々作り続けている。

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