鹿コラム 「簡単に祭りの灯を消すんじゃない」

広島市西区の天満町にて、曜日に関係なく毎年8月24日と25日に開催される「天神祭」。その場所で店を営むMorning. JUICE STAND。そんなアキラの店先を中心に、今年も熱気あふれる夜を過ごしてきました。

今年は僕たちドットコミュも、新店舗の認知拡大を兼ねて、初めてスマッシュバーガーで出店。

普段の県外遠征なら、ロスを避けるために「きれいに売り切って終わる!」というのが定石。余った食材の扱いに頭を抱えるより、完売御礼で終わる方が店側としてはスマートで気持ちがいいから。しかし今回はお店が近いこともあり、いくらでも追加で供給することができる。

そして迎えた初日。
無限に追加供給できるドットコミュの一方で、隣の串焼き屋が、祭りもこれからという時間帯にあっさり「完売御免」。そのお店に声をかけて呼んだアキラからは、ちょっと待ての声が入る

「簡単に売り切って、祭りの灯を消すんじゃない」

店側の都合で綺麗に終わらせるのは簡単なこと。けれど、楽しみにやってくるお客さんにとって、屋台が次々と閉まっていくのは寂しい。

ここは売上や効率を競うフードフェスではなく、地域の人々が集うお祭りだ。アキラは続ける。「バードマンの司ならば!あいつが完売したときは、ユアーズ(近所の24時間スーパー)に走って具材を買い足し、その場で作れるものを出し続けたんだぞ」と。

「簡単に祭りの灯を消すんじゃない」

その言葉は、用が済んだらサッサと帰る系の僕にはむちゃくちゃ響きました。

そして迎えた2日目。 昨日あれほど語り継がれたバードマンの司くんが、満を持してタイカレーで出店。そして営業開始からわずか2時間後、ふと隣を見ると、なんと「完売」の2文字(笑)

「……おいおいおいおい!」

昨日、若手飲食人へゲキを飛ばしていたアキラ。当然そうなる(笑)

「今からユアーズに走ってやるんだろ!?」と

詰め寄るアキラに対し、司くんは「え、今から…?ユアーズ…」と完全に店じまいモード。昨日あれだけ壮大に張られた伏線が、これ以上ない鮮やかなカタチで回収されたのであった。

祭りの灯は消すな。その情熱も本物なら、見切りをつけて店じまいしたくなる現実もまた、人間らしくて愛おしい。

「ユアーズ行くんだろ!? なあ!」

幾分か涼しくなったとはいえ、まだまだ熱を帯びた夜風の中、熱い理想と現実のなかで交わる男たちの温かい押し問答。この曖昧で情緒的な光景こそ人間の営みだと、いいものが見れたと、僕は深く満足したのでした。

 

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