
ソーセージに特化し、ソーセージだけを作る。
それがソーセージクリエイター。
そう名乗り始めてから、もう10年が経とうとしています。
以前は「これさえやっていればいい」というシンプルな状況だったのが、今はやること、考えることがとにかく増えました。やろうと思えばいくらでもできてしまう。
興味の赴くまま、やりたいことに手を出し始めると、あちこち散らかって、必ず混沌に向かい始めるわけです(笑)。
だからこそ「やらないこと」を決めなくてはいけない。今自分がやっていることの棚卸しをする必要に迫られている。そう直面したことで、自分の中にひとつの指針を作ることにしました。
「何のためにそれをやるのか」
「そのためになにをやるのか」
「どうしてそれじゃなきゃいけないのか」
「なにか他のやり方はないのか」
「それによって失うものはなにか、得られる可能性があるものはなにか」
今取り組んでいることや、これから始めようとしていること。あるいは、やるかどうか迷っていること。頭の中で散らかりがちな思考を、一度すべてこのフォーマットに通してみる。
そうすることで、「やらなくていい失敗」を避け、自分が持っているエネルギーを集中させることができるんじゃないか。
結局のところ、突き詰めるべきは『どうしてそれをやるのか』なんですよね。迷ったときほど、何度も何度もその原点に立ち返る必要がある。

じゃあ、僕は何のためにドットコミュをやっているのか。
「使い途がないとされてきた肉を活かして、余すことなく使い切る。そこに新しい価値を生み出すことができれば最高」
そのためになにをやるのかといえば、答えはやっぱり「ソーセージ」。
では、ソーセージじゃなきゃいけないのか。
端材だろうが部位を選ばずミンチにして、生地づくりに手をかけることで、印象に残る食感を生みだすことができる。合わせるスパイスや調味料にこだわることで、他とは一線を画す差別化になる。
そして、その技術を磨き続けることで、「手間をかけずに、他にはない特別なモノを出したい」という飲食業界のニーズに応えることにも繋がっていく。
では、他のやり方はあるか?
僕にとってはやっぱりソーセージなんですよね。腸に詰める、という唯一のルール。それがあるからこそ生まれる可能性の広がりは、圧倒的に面白いわけです。
原材料の肉はもちろんのこと、副原料となるハーブやスパイス、調味料の数々。さらには食材にとどまらず、テーマさえ決めれば色んな人や業界とコラボすることができる。その自由度の高さ。
パスタに合わせてもいいし、パンに挟んでも、おにぎりに添えても、BBQでもいい。ホットドッグにすれば、朝のコーヒーイベントとも相性抜群。決して主役になれなくても、場面を彩る名脇役。
カレー、肉味噌、テリーヌ、リエット、古くはケバブサンドまで。色々やってみたけど、でも、やっぱりソーセージなんですよ。
あちこちへ手を広げそうになったときこそ、この自問自答のフィルターを通してみる。自分たちの軸足をどこに置き、どこへエネルギーを注ぐべきなのか。
40代の「不惑」とは、こういうふうにやってくるのかもしれないですね。
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