100やって成果として出てくるのは1だとして。どんなに多くの試行錯誤を積み重ねても、成果として見えるのは「1」しかない。うまい人ほど、シンプルにやってのけるので「なんだ簡単じゃん」「これだけでいいじゃん」と思える。でも、実際にはその「1」を生み出すために100の試行と土台があって、その積み重ねの上に「1」だけが見える。
「これさえやれば成功する」「これさえ飲めば健康になる」これもよく見かける。確かに間違ってはいない、でも、それだけで正解とも言えない。
僕自身、柔術クラスで「ここさえ押さえておけば、簡単な技」と伝えることがあります。でも実際にやってみると、すんなりできる人は少ない。そこで「なぜできないのか?」を掘り下げていくと、その裏には僕が当たり前に前提としている部分が、他の人にとっては抜けていたりして。
これだけでいい、というシンプルな「1」に辿り着くために、その人自身の土台が必要。表層で見える部分だけを真似しても意味がない。土台が人それぞれ違うのだから。自分なりの「1」を出すために自分なりの「100」をやる。他の人と同じ100ではなく。
簡単げに垂木を切ってしまう空手家・中村日出夫。木でも切ってみようと大木の枝を毎日打ち続け、3年かけて切れるようになったという。合気道「不世出の達人」と言われる塩田剛三は、他の魚とはぶつからずに動く金魚の動きを参考にするために、鉢の前に立ち、鉢を叩きその動きを7年研究していたとか。
楽して勝ちたい。楽して売れたい。練習せずに強くなりたい。僕はいつもそう思ってます。笑 だけど、そのためにハードワークが必要で。やりたい、やりたくないの話ではないんですよ。必要ならやるだけ。
最短で無駄なく進みたいのに、自分の人生はいつも遠回りばかり、そう思うこともありますね。だけどそれこそが、他の人には出来ないオリジナルライン。「遠回りこそが俺の最短の道だった」これを知って進むか否か。