「今年の年末はどう過ごそうか」。そんなことは何も考えていなかった。新店舗のスケジュールが立たなかったこともある。そんなとき、ふと舞い込んできた京都「日々醸造」ヒデさんからの、餅つきの誘い。「いいですね、行きます」軽いノリで返事をした。

一人で京都へ向かい、餅をつき、夜は皆さんで食事。ヒデさん家族とはそこで解散し、2軒目、3軒目、4軒目と京都の夜を転がる。

気づけば翌朝、串野真也さんのアトリエで、前日知り合った外国人観光客たちに混ざって陶芸にをしていた。そんなことありますか(笑)カツカツに予定を詰めないことの大切さを知る。
ちなみに、僕が夢中になって作ったのは、やはりホットドッグでした。手が動くと作ってしまうのか。その後は柔術で汗を流す。それだけで大満喫の年末であった。
福井にはいつ帰るとも、いつ広島に戻るとも決めていなかった。なので、柔術が終わったらその足で駅に向かい、席を予約し電車に乗る。
■突如決まった、大晦日埼玉
29日夜20時頃、福井の実家へ到着。そこで父から、埼玉に家を買ったという兄の話を聞いた。「哲朗(兄)の家だけは、いっぺん見に行きたいなあ」。父はそう言っていた。
その翌日、僕とは1日遅れで広島から戻ってきた弟も合流。そして31日朝7時、この親子4人は車に荷物を詰め込み、埼玉へと出発することになる(笑)
目的地は兄の家で、「雑魚寝でよければ泊まっていって」と言われていたが、両親はそれを遠慮した。「家と顔が見れればいいから、(それ以上は)」。とはいえ埼玉まで行ってどうするつもりだったのか。母は日帰り、父は車中泊を考えていたらしい。馬鹿を言うな。笑
片道6時間のドライブで、平均年齢55歳の大人4人である。僕は埼玉で民泊を手配した。そんなわけで、何の前触れもなく埼玉での年越しが決まる。
■紅白のない夜
そういえば、年中休みのない機織り工場を営んでいた両親が、正月を県外で過ごしているのを初めて見た。(実際そうらしい)。宿は全員で泊まれる一部屋を借りたので、布団を並べて四人で寝る。そういえば、その部屋にはテレビが無かった。紅白歌合戦を見ない大晦日も初めてだという。
夜九時には全員で眠りについた。兄の家でご飯も食べたし、垂れ流しにするようなテレビもない。つまり何もすることがない(笑)降って湧いた埼玉県川越市での年越しであった。
■富士山と、1900キロの終着点
元日の帰り道は、太平洋側を回った。車窓から見える富士山に、両親は喜んでいた。足柄サービスエリアに着いたころ、ちょうど雲も晴れ、本当に束の間、鮮やかな富士の姿が現れた。

あ、どうも初めまして。
紹介します、これが私の両親(と弟)です。
京都での餅つきから始まり、陶芸・柔術。そして福井を経由して埼玉へ。ところで大晦日、埼玉か。さいたまスーパーアリーナ、RIZIN。近くだから行けるなあ、と思わないではなかった。でも、いま僕は、このテレビも紅白もない4人の時間のほうが大切かな。朝倉未来とシェイドゥラエフの結果だけを確認して僕は眠りについた。
2026年1月1日。東名高速道路で走ること6時間、3人とは米原で分かれ、僕は広島に戻った。総走行距離1900キロ。全く想像していたお正月とは違っていたが、家族4人で見た、元旦の富士山。全く計画されたものではない、贈り物のような瞬間でありました。今年はいい年になりそうだ。
本年もどうぞよろしくお願いします!
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