ドットコミュのこれから

※第1章「ドットコミュのモノづくり」の続きです。

新店舗、始めます。

2024年。僕たちは、製造強化のために「ドットコミュ移転計画」に取り組んでいました。
物件にも目星を付け、設備も拡充し、よりよい商品を、より多くの人へ届けるために。

銀行を回り、投資家にプレゼンし、なんなら令和の虎にも出演。夢を語り、信じた道を突き進もうとしました。

「そんだけ作って、売れるの?」

鼻息荒く進める僕に、
返ってきたのはそんな言葉。

熱量はあったし、いけると思っていた。他でもない自分がやれば、きっとできるはずだと。

けれど、冷静に突きつけられたその言葉は、一番核心の部分だったのかもしれません。

——良いものを作れば、売れる。

荒削りと勢いでそうやってきたけど、それは全体のほんの一部分でしかない。”作る”だけではスタートライン。「良いものを、届ける」ためにはまだまだやることがある。

自分の至らなさを痛感した1年でした。

隣の物件が空いた日

ドットコミュの隣のテナント。「もしかしたら、近いうちに空くかもな、」そんな予感はありました。だから動き出しは早かった。

でも、じゃあ何をやる?

移転計画は頓挫した。隣を使えば、多少なりとも製造場所の拡張はできるが——

悩んだ末に選んだのは、
「飲食店を始める」という選択でした。

すべては、「触れてもらう場所」から

今や、全国どこからでもネットで商品が買える時代。だけど、その最初のきっかけは案外アナログだったりします。

「旅行で広島に来たときに食べたソーセージがおいしくて」
「イベントで偶然知って、あの人にも贈りたいと思った」

——まずは、どこかで“触れてもらう”こと。
その最初の体験がなければ、良さも、こだわりも、伝わらない。

SNSで発信しても、誰もが忙しい今の時代。
コンテンツはあふれ、情報は流れていくばかり。「投稿したからといって、見てもらえる」とは限らないし「見たからといって、伝わる」とも限らない。

だったら、そんな場所を作ればいい。
目の前で焼いて、挟んで、手渡して。そして話せる。リアルな“接点”を持つことこそ、今必要なんじゃないかと。

「関係」をつくる。そして、もう一度未来を描く

これから始める新店舗は、イートインスペースであり、同時に原点に立ち返る場所でもあります。

ジビエに出会い、その美味しさに感動して、
「この味をもっと多くの人に伝えたい」と走り続けた9年間。

ネットで売れることも、テイクアウトでお渡しできることも、もちろん嬉しい。

でもそれ以上に、目の前にお客さんがいて、共に時間を過ごすこと、
目の前にいるお客さんと、言葉を交わしながら答え合わせができること。

それが、目指す未来に繋がるはず。

今回の挑戦は、「次への第一歩」

たくさん失敗して、遠回りをして。だからこそ見えてきたものもあるし、立ち止まったからこそ気づけたこともある。

そういった気づきや学びも、この先に進むために必要な過程だったと思いたい。

ここからまた、始めます。
ドットコミュ第二章の開幕です。