ドットコミュのこれから

※第1章「ドットコミュのモノづくり」の続きです。

【第2章】三原移転計画

とにかく自分が形にしたいソーセージを作り続けてきたこれまでは第一章にも書いた通りです。ここからは、これからのお話。

ちょうど1年前となる2023年2月、ひとつの転機となる話を耳にします。「海外ではジャーキーやカルパスは健康的なおやつ代わりとして食されている」ということ。 一方日本ではどうか。ほとんどが「お酒のツマミ」として売り出されていて、そういった考えや展開をしていないところはほとんど無い。

目指すのは"健康的な干し肉"

しかしよく考えてみれば、乾燥食肉製品というのは、言わば「干し肉」で、保存性も高く、軽量で持ち運び出来て、開けてすぐ食べられるという利便性の良さ。

このテーマは僕が狩猟を始めた頃、鹿スネ肉の燻製をしていたことに遡ります。とにかく鹿肉を捌いて帰ってきては、保存のためにスモークをかける日々。あれから10年を経て、再び原点に戻ってきたのかもしれない。トレーニング後にすぐに食べれる良質なたんぱく質。これは身体作りから食を考え、世の中サバイブ意識の強い僕がやるしかないだろうと。

(写真はドットコミュ創業以前2014年の頃)

新たな製造免許取得へ

ちなみに、今まで僕たちがやって来た商品は全て非加熱状態の生ソーセージであり、これは加熱済みのソーセージとは製造の免許が違うのです。(よくスーパーで並んでるやつはほとんど全て加熱済みのほうです)

そしてちょうどその頃、生ソーセージという分野において「やれることは全てやった」という意識もありました。

実際、始めた頃に比べるとジビエソーセージも、無添加ソーセージも増えてきたと思います。ここで新たな一歩を踏み出すべきだ。

しかし新たに取得を目指す「食肉製品製造業」というのは、今ウチで持っている許可よりもハードルが高い上、現在の店舗では手狭になるとも感じました。そこで移転候補先を探し始めます。

そこで色んな場所を検討していた頃、三原市久井町の梶谷農園さんからお声かけを頂きました。「ウチの近くでやる?」と。

(発売と同時に売切れる梶谷農園ハーブソーセージ)

ハーブとソーセージの可能性

考えてみるとソーセージ作りにとっては、フレッシュなハーブ、しかも梶谷農園さんのを使いソーセージを作れることは大きなアドバンテージになると考えました。今までにない商品作りがもっと加速しそうだ。 そう思い、周辺でいくつか物件を紹介してもらいます。そのうちひとつが今回の移転先候補ともなっているスーパーの跡地でした。

自分にしか歩めない道

しかしここでひとつ問題が発生。 当初は、そこまで予算もかからないだろうと思っていました。設備はある程度今のお店にもあるし、燻製の機械を追加して、間仕切りを作り給排水などを整えれば良いな、くらいに考えていましたから。 ところが進めて行くにつれ、思ったよりも掛かりそうなことが分かってきます。銀行はこの規模の借入を認めてくれるだろうか。

そこでまた僕は考え始めます。自分が持っているもので、この状況を打開し得るもの。そう… 物件自体はスーパーの跡地で、敷地とスペースは十分ある。そこに柔術道場を開こうと。

点と点をつなぐ

2020年から始めたブラジリアン柔術。好きが高じて、広島市中区紙屋町のLEOS柔術アカデミー広島ではインストラクターとしてクラスを担当してきました。 新たな仕入れ・人件費・地代家賃を発生させずに、道場の会費で、ある程度借入の返済に回せれば。。僕1人の稼動で済むし、銀行にも納得してもらえるかもしれない。

そして何より「身体に良い、健康的な肉食を進める僕たちが、地域の人たちや子供たちを強くする」。このテーマは根っこで繋がる、と思いました。

ドットコミュが目指す世界

昨今ではブランディングやマーケティングの重要性が当たり前になっています。しかし本質の部分では、やはり何らかの「ムーブメント」というのは誰かが動き出すことで始まること。 動くことで何かが変わり始め、長い時間をかけて構築していくものだと思うのです。

「身体に良い、健康的な肉食を広めること。 地域の人たちや子供たちを強くすること。」

自分が好きで突き詰めてきたことが、誰かの役に立つならばとても嬉しい。そして今後もし同じような商品が出てこようとも、根底に流れる思想や哲学、やっていることは他の誰にも真似出来ないものを。

一次産業も抑えつつ王道のヒット商品、物流・開発あらゆる部門から球団まで持ってるようなのと同じ土俵に立つわけですから。世界でただ1人自分しか走れないラインで駆け抜けていくべきだ。

こうして2024年、 ドットコミュは第二章へと突入します。